製品サンプルと原価資料を囲み対等に話し合う価格交渉のイメージ
制度の利用場面を表したイメージイラスト(AI生成)

情報確認日:2026年9月23日

受付状況:2026年5月1日開設の相談窓口。平日9~17時、休日・年末年始を除く。

売上は増えているのに利益が残らない。その原因が原材料費、人件費、運賃などの上昇にあるなら、価格転嫁を経営課題として整理する必要があります。福岡県は2026年5月1日、県内中小企業等に向けた無料の価格転嫁相談窓口を開設しました。

「何から始めるか分からない」「値上げの根拠を説明できない」という段階でも相談対象です。交渉の席で使う資料を作る前に、まず自社の原価と採算を見直しましょう。

無料相談で確認できること

相談窓口は福岡県中小企業振興センター内、電話は092-402-3761です。県の案内では、平日9~17時に中小企業診断士等の専門家が対応し、国民の休日と12月29日~1月3日を除きます。対象は、価格交渉や価格転嫁に取り組みたい県内中小企業等です。

原価計算、交渉の根拠資料、値上げの進め方などが主な相談内容です。予約や持参資料は、公式窓口案内から確認してください。

原価表は「商品1個・案件1件」で考える

会社全体の経費が増えたという説明より、対象商品やサービス単位の変化を示す方が、交渉内容を具体化できます。原材料、外注、直接作業時間、物流、その他配賦する経費を分け、いつの価格と比較するかをそろえます。

整理する項目 根拠の例
原材料・仕入 過去と現在の請求書、仕入単価表
作業負担 標準作業時間、実績時間、賃金データ
配送・保管 運賃表、配送頻度、保管条件
追加対応 小口対応、急ぎ対応、検品や報告の追加

全経費を一律に上乗せするのではなく、その取引の負担と関係するかを確認します。自社の非効率と、外部環境や取引条件の変化も整理しておくと、対話が進めやすくなります。

計算例:粗利益の変化を見えるようにする

説明用に、販売価格1,000円、原価700円の商品を考えます。原価が780円になり、価格を据え置くと、1個当たり粗利益は300円から220円に減ります。従来の粗利益額300円を維持する価格は1,080円です。一方、従来の粗利益率30%を維持するなら、780円÷0.70で約1,114円となります。

これは単純化した試算で、適正価格や値上げ率の推奨ではありません。「利益額を守るのか」「利益率を守るのか」を社内で明確にするための例です。需要、競合、数量、品質、納期も踏まえて判断します。

交渉は価格と条件をセットにする

交渉資料には、改定理由、根拠、希望価格、開始時期、対象範囲を記載します。取引先がすぐに改定できない場合に備え、納品回数や最小ロット、急ぎ対応の範囲など、費用に影響する条件も整理してください。

話し合いの内容と回答は記録に残します。中小企業庁の取引適正化ページでは、価格交渉ハンドブックなどの公的資料も案内されています。取適法の対象取引かどうかは、別途条件を確認します。

よくある質問

値上げを申し出れば必ず応じてもらえますか?

価格改定の合意は保証されません。取引条件と根拠を示して協議し、対応に悩む場合は専門窓口へ相談してください。

見積書だけあれば相談できますか?

見積書に加え、原価の変化が分かる資料や契約条件があると論点を整理しやすくなります。用意できる資料を窓口へ伝え、不足分を確認しましょう。

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公式情報・出典

制度情報は確認日時点のものです。申請時には最新の公式案内・公募要領をご確認ください。本文中の想定例・試算は制度の適用や採択を保証するものではありません。